もやもや病とは?症状について

健康

もやもや病とは?

脳は左右の内頸動脈と左右の椎骨動脈の合計4本の血管によって栄養されており、これら4本の血管は脳底部で互いに繋がって輪(ウイリス動脈輪といいます)を形成しています。この動脈輪は動脈が一本詰まっても他の血管から血液が流れこむための安全装置として働いています。モヤモヤ病とは内頚動脈が頭蓋内に入り最初に血管を分岐する直前で左右とも急速に狭窄ないしは閉塞する病気で、ウイリス動脈輪が機能せず脳血流が不足します。その結果動脈輪近傍の本来は細いはずの毛細血管が多数拡張して側副血行路を形成し脳血流を維持しようとします。血管撮影検査などでこれらの毛細血管が立ちのぼる煙のようにもやもやと見えるためこの病気がモヤモヤ病と名づけられました。

引用元-5.もやもや病 | 脳神経外科で扱う病気と治療について | 脳・神経の病気について | 患者のみなさまへ 【秋田県立脳血管研究センター】

もやもや病の症状について

脳の動脈に狭窄があると、当該血管支配領域の脳は血液不足(虚血)に陥る。そこで代償的に新たな血管(もやもや血管)が構築される。しかしこれらの血管は細く、脳虚血・または脳出血に起因する種々の発作の原因となる。
虚血の発作は過換気が原因で起こる。過換気状態になると血液中の二酸化炭素分圧が低下する。二酸化炭素は血管を拡張させる働きがあるので、これが減少すると血管が収縮する。すると、元々細い異常血管網(もやもや血管)はさらに収縮を起こして脳に送るべき酸素の供給が不足する状態になる。こうして失神や脱力発作が起こる。典型的な過換気状態は、熱い蕎麦やラーメンなどを冷ます「吹き冷まし」行為や、啼泣、リコーダーやピアニカなどの吹奏楽器演奏時など、必要以上の呼吸を伴う動作で発生するため、注意を要する。また、成人発症例では動脈硬化が関与して狭窄を引き起こすものと考えられている。
一方出血の発作は、脳の血液需要に応じるための大量の血液を送る血管(もやもや血管)が細いために破綻するものと考えられている。成人発症例に多い。
出血箇所が悪い場合、致命傷となる。 また、成人に近い成長期に出血すると脳全体に脳浮腫(加速的な腫れ)を発症し、多くの場合、助からない。 最も留意すべきは補助的に作られた即席・もやもや血管は壁が薄く破れやすい所にある。
本疾患は原則両側性に起こるが、その程度は様々である。一方の内頸動脈の狭窄は重度であるがもう一方は極めて軽度であるということもある。

引用元-もやもや病 – Wikipedia

もやもや病の治療方法について

もやもや病は脳動脈の閉塞性変化が病気の本質であるため、不足する脳血流を補うための外科的治療、すなわち血行再建術が一般的に行われる.頭痛や軽微なけいれん発作のみの場合はそれに対する対症的な薬物療法を行うこともある.

外科的血行再建術は間接的血行再建術と直接的血行再建術があり、それぞれの特徴を生かして、患者の状態や病気の程度により上記術式を組合わせて行う(図3).

間接的血行再建術は血流が豊富な組織を脳に接着することで、その組織から脳へ新たな新生血管が発生することを期待する方法であり、主に硬膜、側頭筋、浅側頭動脈が用いられる.広範囲の血流の改善が期待できる反面、新生血管の発達に数ヶ月単位の時間を要する.主に小児症例に用いられる.

直接的血行再建術は頭蓋外血管を頭蓋内血管に直接吻合することで血流の改善を期待する方法であり、主に浅側頭動脈ー中大脳動脈吻合術が行われる.血管径の太い成人症例に適している.

良好な血行再建ができれば症状は1年前後で軽快してくるが、既に脳梗塞や脳出血など完成された脳病変を有する場合は、症状の進行を予防するにとどまり、既存の症状の改善の可能性はない.

脳出血予防に対する外科治療の有効性は、多くの論文で述べられている。現在、これをさらにこれをさらに科学的な立証をするために、外科治療した患者様と行わなかった患者様との再出血率を検討する研究が進行している。

引用元-Neuroinfo Japan:もやもや病

もやもや病はどのような経過をたどるのか

脳の血管の閉塞に関しては、最初の診断時と同じ状態が何年も何十年も変わらない人もいれば、徐々に進行していく人もいるといわれています。従って、定期的なMRIなどによる検査が必要と思われます。
適切な治療や管理を受けて学業生活を終えて就労されている方や、妊娠出産をへてお子さんをお持ちになっておられる方が多くいらっしゃいます。約7割程度の患者さんは、症状的には安定して生活を送っていると見込まれています。
一方で、初発症状が脳出血や脳梗塞の場合は、運動麻痺、言語障害、高次脳機能障害などが後遺症として見られることがしばしばあります。小児では、明らかな身体的障害を持たなくても、慢性的頭痛などによる不登校もしばしば見らます。成人では高次脳機能障害による就労困難なども少なくないと見られます。

引用元-難病情報センター | もやもや病

日常生活で気をつけること

脳に血流が不足すると容易に脳梗塞になりがちです。
スポーツ等をする際、適度の水分補給がなければ、脱水状態になり、血が固まりやすくなると言われております。
やはり大量の汗をかく場合(スポーツだけではなく最近では気温が高い日など)適度の水分補給が必要となります。

また大人で好ましくないのは、タバコです。
タバコの成分は脳の血管を収縮させてしまうといわれております。

脳の手術(血管バイパス手術等)が終わった方も、十分に脳の血流が回復していれば、生活に関わる大きな制限はないようです。
ですから子供の場合でも、長期間にわたって学校の行事を禁止することは将来を考えればあまりよくないことです。
治療後ほとんどの場合、体育や音楽の授業を徐々に始めていくようです。
多くの例では、水泳や長距離走も可能となるようです。

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